夜、近所のコンビニに行くと
入口の自動ドア前で誰かをじっと待つ
ふくふくとした三毛猫の女の子。
どうやら地域猫のようで
店長のおばさんがお世話をしているようだ。
猫のステッカーが貼られた白い軽ワゴン
猫好きであろうおばさんが出勤した際には、
その子は音もたてずに どこからともなくやって来る
またある時は、店内でいそいそと働くおばさんの姿を
覗き込むように眺めていたりする。
自動ドアが開いても決して店内に入ろうとしない
ぇ...えらい！
ご飯待ち？
おばさんとの触れ合いタイム待ちなのかな？
か...かわいい！
2年前ぐらいから見かけるようになったこの子。
見かける度に...
あの子との出会いをいつも 私は思い出します。。
私がまだ大学生だった頃の話
当時、実家(保護犬1匹・保護猫5匹)の元を離れ
熊本県の阿蘇で一人暮らしをしていました。
大自然の山の中なので、気の利いたお店といえば...
学生アパートから歩いて行ける距離にある コンビニのただ一軒だけ
そのため多くの学生たち、または観光客の方が立ち寄る。
そこに突然現れた
真っ白い猫の女の子(のちに毛色が変わりパステルサビ柄に)
自動ドア前...
行き交うお客さんの顔色を愛くるしい眼差しで
じ～っとうかがう。
ときには甘えるようにすり寄ってきたり...
じゅ...熟知している ご飯が貰える術を
私の通っていた大学には、動物学科と植物学科があり
学生たちのほとんどが 生き物をこよなく愛する。
ただでさえ そんなお客さんばかり...
コンビニを訪れては、フードや牛乳、食べ物を買って
その子にご飯をあげる。
私もその中の一人でした。
大学内では当然 その子はちょっとした有名ニャンコに
ふくふくとした看板猫として。。
その子との出会いから 約1か月半が過ぎ去った頃...
ある日 私は40度近い高熱でダウンしてしまう。
外は風も強く、極寒...高地ゆえに冬期に入った阿蘇はかなり寒い
薄れゆく意識の中でふと その子の事が頭をよぎる。
ダウンした私を心配してくれた友人に連れられ 病院へ...
その帰り道 コンビニに立ち寄る
おった！
いつものように入り口にじっと座って 震えながら待つ白猫
この寒さの続く日々
お客さんの出入りは、まばら
ここ数日でなんだか痩せているように見える。
すれ違う学生たちは、店外のあまりの寒さに駆け足で立ち去っていく
その子に構ってあげる余裕もなく...
体調を崩してしまい 病院にかかり
部屋で温々休むことの出来る私。
かたや、この子は・・・
・・・・
決断するのに そう時間はかからなかったです
これから オレが面倒を見る！
風邪で弱った体を奮い立たせるように 自分に言い聞かせ
その子を抱きかかえ アパートへ帰宅。。
翌日...
私のお見舞いと あの白猫を連れ帰ったという話を
どこからか聞きつけた友人たちが
たくさん駆け付けてくれる。
私への物資よりも 猫関係のものが多くない！？
お見舞い というより...
もうみんなこの子に夢中(笑)
布団に横になる私をよそに
名前を何にするかで盛り上がるみんな。
当時、友人たちの間でブームになっていた漫画「ワンピース」
その登場キャラからとって
みんなが「ナミさぁぁぁん！」と呼び出す
一人暮らしをするようになり...
これが私自身で初めて保護することになった
最初の子
ナミとの出会いでした。
ナミには、左耳に裂けた傷跡あり
まだ今のように避妊・去勢済みの耳カット「さくらねこ」が全国的に拡がるずっと前の話。
阿蘇には根子(ねこ)岳という有名な山があります。
言い伝えでは...
昔から 猫たちが修行のために登るといわれる伝説の山
そこには猫の王様がいて 修行をつけてもらい免許皆伝
下山してきた猫たちの耳は みな共通して裂けていたそうです。
コンビニから少し離れた場所に 高くそびえ立つ根子岳
ナミも もしかしたら...
そんなことを毎日友人たちと話していたなぁ。。
次回
後編(2/2)につづく
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